journal of clinical rehabilitation vol.21 no.4
『特集 急性期病院における新しいリハの役割ー課題克服のコツ』その③
内科系における呼吸リハビリテーション
永田幸生 氏 他
倉敷中央病院リハビリテーションセンター
内容のポイント
Q1 急性期リハビリテーションの現状は?
Q2 肺炎患者への取り組みとそのコツは?
Q3 肺がん患者への取り組みとそのコツは?
Q4 間質性肺炎に対する早期からの取り組みとそのコツは?
Q5 急性期リハビリテーション・地域リハビリテーション医療への取り組みとそのコツは?
はじめに
呼吸リハビリテーションは内部障害のリハにおいて重要な位置を占めている。
病棟呼吸リハの課題
1)リハ開始までの期間短縮について
リハ科医師への紹介ではなく主治医から直接セラピストへ処方するようになりリハ開始の期間短縮につながった。一方、より早期からリハ開始となるため、病態の把握および呼吸管理の状況、離床に伴う全身状態の変化を把握する高い臨床能力がセラピストに要求される。そのため、セラピスト個人のリスク管理などのスキルの向上を進めなければならない。
2)肺炎患者に対するリハ
肺炎患者は併存疾患を持つ場合が多い。また、炎症や脱水等の影響により、低栄養状態や循環応答の低下を生じやすく廃用症候群のリスクが生じる。特に運動誘発性低酸素症が生じる患者では、座位等抗重力位への離床に遅延が生じ、廃用症候群のリスクがさらに高くなる可能性がある。肺炎治療薬における効果判定では、発熱、臨床症状、白血球等の炎症症状が利用されるため、リハ実施においても炎症症状の変化が重要となる。そこで、炎症症状の変化について主治医と情報交換を行いリハプログラムを進めている。
炎症症状が不安定な場合では、排痰手技等の気道浄化と平行して、臥床での下肢筋力強化等可能な限り自動運動を進めている。起立動作まで可能になれば、病棟と共に車いす乗車時間の拡大といった循環動態のfitnessの改善に取り組んでいる。歩行可能となれば状態に応じて6MWD等を実施する。
3)肺がん患者に対するリハ
がんのリハの目的は「がんとその統合的な治療過程において受けた身体および心理的な種々の制約に対して、個々の患者が属するそれぞれの家庭や社会へ、可能な限り早く復帰することができるように導いていくこと」とされている。治療の方針の一助とするためPS等について調査を開始している。入院時にはすでに病期が進行しており、化学療法等の副作用の影響を受け、PSが低下する患者が多かった。末期の病態のなかリハを実施することも多く、バイタルサイン、薬歴、食事や飲水の状況等を主治医や担当看護師と確認することが重要であった。また、緩和ケアチームとの連携が重要であった。
4)IP患者に対するリハ
近年、びまん性肺疾患、特にIPに対して呼吸リハが適応されるようになり、その成績が蓄積されつつある。当チームでは呼吸器内科と協力しIP患者の全身筋力、筋持久力の維持・改善、QOLの改善を目的に早期から呼吸リハを開始することとなった。入院中のIPリハプログラムとして、約5日間の実施予定としている。
5)呼吸リハの啓発活動
6)急性期リハ医療の質の向上への貢献
急性期リハ医療の中における、リハの質の向上、貢献には関係職種、院内スタッフとの連携が必須鵜となる。当チームスタッフは、院内医療チームの構成員として積極的に参加し、RST、NST、緩和ケアチームに所属している。
NSTについて、セラピストの役割は、嚥下機能の現状と、可能な栄養確保手段、ADLの状況と身体機能を伝えることである。
7)地域リハ医療の質の向上への貢献
おわりに
急性期病院は在院日数の短縮化に伴い、可能な限り早期の機能回復を促して原疾患の治療効果を向上させる必要がある。また、進行性の疾患でその病期や全身状態に応じたリハ治療プログラムの立案が必要と思われる。そんためには、リハ医療の質の向上が必須であり、主科、病棟スタッフ、地域医療機関との連携が重要である。
ブログ筆者のコメント
1000床を超える大病院の中で積極的な急性期リハやチーム医療を実践されていることは素晴らしい成果であると思う。また、病院全体で取り組むにあたりリハ科医師の存在もかなり大きいといえる。今後、急性期リハの実践には、本文中にも挙げられていたPSを使った評価やIPリハプログラムといった具体的な介入方法と結果を示していかなけばならない。
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