2013年4月16日火曜日

「総人口、過去最大の減少」~数値から分かる高齢化~




総人口、過去最大の減少=高齢者、全国で14歳以下上回る―12年10月時点の推計

時事通信 4月16日(火)15時9分配信

 

 総務省は16日、2012年10月1日現在の推計人口を発表した。在日外国人を含む総人口は前年比28万4000人(0.22%)減の1億2751万5000人で、2年連続して過去最大の減少となった。65歳以上の高齢者の割合が、初めて全都道府県で0~14歳の年少者を上回り、少子高齢化の進展を裏付けた。 出生児数が死亡者数を下回る「自然減」が20万5000人に達したほか、東日本大震災などの影響で外国人の出国者数が入国者数を5万6000人上回ったことが、人口減の要因となった。 総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は0.8ポイント上昇の24.1%。うち75歳以上は0.4ポイント上昇の11.9%でいずれも過去最高を更新。年少者の割合は0.1ポイント低下し、過去最低の13.0%だった。 



ブログ筆者のコメント

日本は高齢社会ということは周知のとうりであるが「どのくらい高齢化なのか」。


・現在、2011年時点で65歳以上の人口の割合は23.3%を占め、世界第1位である 。(総務省「人口推計」)


他国は

    ドイツ(20.5%)スウェーデン(18.3%)

    アメリカ(13.0%)韓国(11.0%) ...



・言葉の定義  高齢化率が  7%「高齢化社会」  14%「高齢社会」  21%「超高齢社会」




・日本は1970年に「高齢化社会」になり1994年に「高齢社会」となった。


この間24年かかった。しかし、フランスは115年、スウェーデンは85年、ドイツでも40年もかかっている。



・今後2050年には32.1%となる。今後さらに高齢化の波は加速すると予測されている。


数字で見れば、世界に類をみないかなりのスピードで高齢化が進んでいることが分かる。高齢化に対するあらゆる取り組みが「今」必要とされている。

2013年4月2日火曜日

椎間板ヘルニアのMRI所見は転帰と相関せず


海外論文ピックアップ NEJM誌より

2013. 4. 1
NEJM誌から
椎間板ヘルニアのMRI所見は転帰と相関せず
治療1年後のMRI所見と坐骨神経痛の有無は無関係
大西淳子

 椎間板ヘルニア治療1年後のMRI所見は、坐骨神経痛の転帰と相関しないことが、オランダLeiden大学医療センターのAbdelilah el Barzouhi氏らによる研究で示された。詳細は、NEJM誌2013年3月14日号に報告された。

 坐骨神経痛の主な原因は椎間板ヘルニアだ。多くの患者では下肢の痛みは8週間以内に消失するが、保存的治療を行っても症状が持続する患者も存在し、そのような患者にはヘルニアに対する手術が行われている。しかし、ヘルニアの手術を受けても、坐骨神経痛の症状が消失しない、または再発する患者が15~20%程度存在する。

 MRI検査は、椎間板ヘルニアが認められ、坐骨神経痛の症状が持続する患者のフォローアップとしてしばしば用いられる。しかし、MRI所見と臨床転帰の関係については議論があった。

 著者らは先に、坐骨神経痛が6~12週間持続し、MRI画像で神経痛の原因として椎間板ヘルニアが確認された患者を、ランダムに外科手術または長期の保存的治療(必要なら手術を実施)に割り付け、その後の転帰を比較する多施設ランダム化比較試験(RCT)を実施した。その結果、保存的治療に比べて外科手術を受けた患者の方が症状軽減が早いものの、1年時の転帰には差がなかった。

 今回、この試験に登録した患者283人を対象に分析を行った。これらの患者はベースラインと1年後にMRI検査を受けていた。4ポイント尺度を用いて、1年時のMRI画像上の椎間板ヘルニアを評価した。スコア1はヘルニアが確実に存在する、スコア2はほぼ確実に存在する、スコア3は存在が示唆される、スコア4は確実に存在しないことを示す。

 臨床転帰は、患者自身が認識する全般的な回復度を7ポイントのリッカート尺度を用いて評価した。1年時に、「症状が完全に消失」または「ほぼ完全に消失」したと報告した患者を「転帰良好」と判定した。

 1年時にMRI検査を受けていたのは267人で、うち131人が外科手術群、136人が保存的治療群に割り付けられていた。また、保存的治療群のうち54人が1年以内に手術を受けていた。

 「臨床転帰が良好か不良か」と、「MRIで認められる椎間板ヘルニア」(4ポイント尺度でスコア1~3)の関係を、ROC曲線下面積を用いて評価した。ROC曲線下面積では、1が予測能が高いことを、0.5以下は予測能が低いことを意味する。

 1年時に転帰良好と判断されたのは、84%の患者だった。

 スコア1~3のヘルニアは、転帰が良好だった患者の35%、転帰が不良だった患者の33%に認められた。差は-2.7ポイント(95%信頼区間-18.8から12.6、P=0.70)で、有意差は認めなかった。

 一方、スコアが1~3のヘルニアが認められた患者のうち、転帰良好は85%、スコアが4でヘルニアが認められなかった患者では83%だった(P=0.70)。

 ROC曲線下面積は0.48(95%信頼区間0.39-0.58)で、MRIによるスコア1~3の椎間板ヘルニアの存在は、臨床転帰と相関していなかった。

 割り付け治療で調整して、スコア1~3のヘルニア患者について、スコア4のヘルニアのない患者と比較した1年後の転帰良好のオッズ比を求めたところ、0.82(0.40-1.71、P=0.60)となり、有意な差はなかった。

 坐骨神経痛を有し椎間板ヘルニアの治療を受けた患者における1年時のMRI画像では、転帰良好と不良を識別することができなかった。「坐骨神経痛の症状が持続または再発した患者における、MRI画像所見の臨床的な意味合いに関して、さらなる検討が必要だ」と、著者らは述べている。

 原題は「Magnetic Resonance Imaging in Follow-up Assessment of Sciatica」、概要は、NEJM誌のWebサイトで閲覧できる。

2013年3月27日水曜日

「デキる部下」から上司になった際の落とし穴

日経電子版 H25.3.27 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK24008_U3A320C1000000/?df=2&dg=1


【相談1】 高い目標に部下たちの反応がない
 私に、仕事で転機が訪れました。わが社(食品会社)が、アスリート向けの健康機能食品を発売することになったのです。私はこの新しい仕事にぜひ関わりたいと考え、社内公募制度を使って、その部署へ異動することになりました。リーダーとしてこの新商品のプロモーションに当たります。
 当社は後発です。また、先行企業が2社で寡占状態となっています。そこへどうやって切り込んでいくか、具体策はこれからですが、志を高く持つことだけは決めています。先日の顔合わせの際に「2年以内に先行2社に追いつく」「次の大会までに、オリンピック代表級の選手から指名される商品にする」などと話しました。しかし、メンバーの多くは、社内公募ではなく、通常の人事異動で集められた人だからなのか、反応がいまひとつです。中には「その目標は乱暴すぎる」と言う人までいました。
 しかし、高い目標を掲げて、それに少しでも近づこうとするから、いい成果が出るわけです。低すぎる目標は達成するのは簡単ですが、飛躍的な成長を促すものにはなりません。どうしたらこの思いを分かち合えるでしょうか。
 チームの状況に適さない高い目標は部下のモチベーションを下げるだけです。相談者は、まずはチームがどの段階にあるかを見極めなくてはなりません。
 まず、相談者は本当にその目標が達成できると思っているのか、素に戻って、もう一度考えてみてください。願望と達成可能な目標とは違います。リーダーの独善的な思いだけで掲げた極めて高い目標は、ただのスローガンと同じです。
■チームの成長段階を意識せよ
 チームには先述したように成長の段階があります。第1段階はお互いに様子見をしている形成期(フォーミング)、第2段階は自己開示と他者受容を招く混乱期(ストーミング)、第3段階はチームとしての力が出始める標準期(ノーミング)、第4段階はチームの能力が発揮され、成果を上げる達成期(トランスフォーミング)です()。

図 各成長段階における課題と成果




高い目標が機能するのは、チームが第4段階にある時だけです。相談者のチームは、まだ動きだしてもいないわけですから、高い目標はむしろメンバーのモチベーションを下げます。メンバーの皆さんの反応は、自然です。まずは第1段階、第2段階とステップを踏むことを優先してください。

 そして、第3段階に入ったら、第4段階へと進むため、メンバーにはたくさんの成功を体験させてください。これはつまり、達成可能な目標を設定するということです。「これならできる」と感じたメンバーは、実際にそれを実行します。そして、目標を達成します。多少低い目標であっても「達成できた」というこの事実だけが、メンバーを、自分たちのチームには力がある、できるという気持ちにさせます。
 できると分かっていれば、メンバーは安心して仕事に取り組めます。その安心感が仕事の効率を上げます。達成できるかどうか不安な状態で仕事をしていては、効率が落ちるのと裏表の関係です。
 低い目標を設定し、達成する。それを繰り返していると、リーダーとして、大きな目標を提示したくなるかもしれませんが、そこは我慢してください。いつまで我慢するかというと、メンバーから高い目標が提案されるまでです。
 成功体験を繰り返しているうちに、メンバーは、物足りなくなってきます。そして「そろそろもっと大きな目標を立てて、達成したい」と考えるようになります。つまり、目標が「やればできるもの」から「やって達成したいこと」に変わるのです。
 こうなった時、チームは第4段階に突入します。それまでの間、リーダーは辛抱強く、メンバーに成功体験を与えることに徹してください。そして、その実績を承認してください。つまり「よくやった」「やってくれると思っていた」と、具体的な成果を褒めるのです。のべつまくなしに褒めていては、皆は成長しません。
 また、場合によっては、メンバーの中に、大きすぎる目標を掲げたがる人がいることがあります。そういったペースメーカーの存在も重要ですが、チームが成長する前に、チームがその人の目標に引きずられてしまうことは避ける必要があります。その調整もリーダーの仕事です。
 リーダーの仕事とは「高い目標」を掲げることではなく、チーム状況を洞察し、その状態で達成可能な適切なマイルストーンを設定し、成功体験を重ねることでチームに自信と信頼をつくり出すこと。そして、その積み重ねによってリーダーが本来望んでいる高い目標に向かうモチベーションを、メンバーの自律性によってつくり出すことなのです。

部下の立場で描いている理想のリーダーと実際にチームをまとめれるリーダーは全く別物。医療の世界でも、チームや集団での取り組みが重要視されている。集団をまとめ、想像以上の成果を上げるにはリーダーとしてのスキルを持っていなければならない。






2013年3月26日火曜日

アベノミクスで医療は充実するのか

 2012年12月の衆議院議員選挙で自民党が政権に返り咲き、安倍晋三総裁が第96代首相に選出されました。安倍首相が掲げる政策の柱は景気回復。大胆な金融緩和により、デフレと円高からの脱却を図る方針を示しています。こうした強気な経済政策は“アベノミクス”(アベ+エコノミクスを合わせた造語)と呼ばれ、経済界などから大きな期待が寄せられています。

 一方で、社会保障制度改革の方向性はまだ見えていません。民主、自民、公明3党の合意で設置された社会保障制度改革国民会議も、昨年の12月上旬に第2回会合が開かれて以降、休止状態にあります。ただ、医療保険は企業などからの税収や被保険者が負担する保険料で成り立っており、税収や保険料収入は経済状況に大きく左右されることを考慮すると、医療界にとってもアベノミクスの成否は重要なものとなります。

さらなる医療崩壊の危機に直面する可能性も

 安倍政権はどのような経済政策を打ち出しているのでしょうか。最大の目玉は公共投資の拡大です。公共事業に財源を投入し、雇用増や所得向上などの呼び水にしようというわけです。その第一弾として政府は1月15日、国の支出ベースで約10兆3000億円に上る2012年度の大型補正予算案を閣議決定しました。中身を見ると、古い道路やトンネル、河川などの補修、復興事業といった公共投資が半分を占めています。

 問題は、現在の日本には経済成長と合わせて財政再建も求められていることです。2012年の日本の債務残高は約1000兆円に達し、対国内総生産(GDP)比は200%を超えました。これは、歴史的に見ても世界的に見ても最も深刻な状態にあります。その点から考えると、今回の補正予算案により2012年度の国債発行額は、民主党政権が財政規律の指針として掲げていた44兆円を大きく超えて52兆円になる見通しで、財政赤字はさらに膨らむことになります。

 加えて、財政支出を伴う公共事業には、一時的に需要を盛り上げる効果しか期待できません。将来の成長分野への的確な公共投資などで持続的な経済成長を生み出さなければ、いわゆる“ばらまき予算”となるだけです。

 アベノミクスで経済再生が実現すれば、税収や社会保険料収入が増えて社会保障の充実が期待できる上、2014年4月と2015年10月に予定されている消費増税により財政再建の実現の可能性も高まります。しかし万一、うまくいかなければ何が起こるのか。
 2013年度予算以降もこうした方針を持続すれば国家財政は一段と悪化し、国が次の政策を行うための財源を確保できなくなるばかりか、財政支出を縮小しなければならない状況に陥ることも考えられます。そうなれば、公費が多く注ぎ込まれている医療費も抑制の対象になり、さらなる医療崩壊の危機に直面することは間違いありません。

 安倍政権がデフレ脱却の目標としている物価上昇率2%を達成できても、物価上昇は金利上昇を招くため、財政再建のめどが立っていなければ長期金利が急上昇して国債の利払い費が増加します。結果、国が政策運営のための財源の確保に苦慮することになる可能性もあります。
図1 消費税5%引き上げ分の使途方針(財務省「社会保障・税一体改革について」より)

 超高齢社会に突入したわが国は経済的にも財政的にも窮地に追い込まれており、安倍政権はそれを打破するために、リスクの高い道を選んだととらえることができます。

消費増税でも診療報酬引き上げはない
 それでは、財政再建のめどはどうなっているのでしょうか。その切り札の一つが消費増税でしょう。

 昨年8月、消費増税などを盛り込んだ税制抜本改革法が公布されました。経済状況の好転を条件に、税率5%の消費税は2014年4月に8%へ、2015年10月に10%へ引き上げられます。

 
社会保障費の増大が国家財政を圧迫していることから、これまでも国の分の消費税収は予算総則で高齢者3経費(医療、介護、年金)に充当することが規定されていますが、今回は法律で社会保障目的税化が明記され、少子化対策を加えた社会保障4経費に全てが充てられます。地方分の消費税についても、引き上げ分は社会保障財源とする方針が打ち出されました。2012年度予算では国と地方分を合わせて約13兆円だった消費税収は、10%に引き上げられれば単純計算で倍の約26兆円に増えることになります。

 財務省は昨年4月、引き上げられる消費税5%分(約13.5兆円分)の使途の方針を示した資料を公表しました。それによると、4%分に相当する約10.8兆円は社会保障の安定化に充てられます(図1)。具体的には、年金国庫負担2分の1への引き上げに約2.9兆円、後代への負担のつけ回しの軽減に約7.0兆円、消費税率引き上げに伴う社会保障支出の増加に約0.8兆円を配分する考えです。
要するに、これまで社会保障費に注ぎ込んでいた財政の赤字分の解消に充当するのです。

 一方で、医療・介護の報酬引き上げや提供体制の整備、少子化対策といった社会保障の充実に充てるとしたのは、残りの1%分(約2.7兆円)だけ。ただし、そのうち医療と介護に回されるのは約1.6兆円(医療・介護の充実化策と効率化策を実施した上での差額)にとどまり、しかも1.6兆円のうち1兆円弱は低所得者の国保・介護保険料の軽減などに使われる予定です(図2)。

 つまり、実質的に医療・介護の純粋な充実に振り向けられるのは約0.6兆円のみになりますが、これについても病院・病床機能の分化や在宅医療の充実、地域包括ケアシステムの構築などに重点配分する方針です。消費増税の主眼は、診療報酬の底上げといった社会保障全体の充実ではなく、財政再建にあるのが実態なのです。
 こうした政策が実現すれば、財政再建は一息つくことになります。ただ、大和総研の調査提言企画室長である鈴木準氏は、「消費税を社会保障に充てることで財政に余裕ができるからといって、社会保障以外の歳出拡大に回そうということになると、何のために増税するのか分からなくなる」と指摘します。翻って安倍政権の政策を見ると、前述した通り、公共投資に大規模な財政出動を予定しています。これはある意味、消費増税で余裕のできる財源を“先食い”しているとも考えられるのではないでしょうか。

 安倍政権の誕生で、医療と経済の関係はさらに密接になったと言えます。アベノミクスの今後の行方を注視していきたいところです。
 2013. 1. 18 日経メディカルオンラインhttp://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201301/528629.htm

ブログ筆者の考え
 安倍政権発足以来、円安株高のあおりを受けてメディアでは国民に対して好景気が到来したかのような報道が増えている。大企業には確かに多大なる収益がもたらされているが、医療、介護業界において、今のところこの好景気に対する恩恵は何一つない。記事にもあるように、社会保障費の国庫負担は高齢化と医療技術の進歩が進行する限り厳しい状態に変わりはない。今、日本の債務残高が対GDP比の200%を超えた状態で財源の分配だけを考えていても何も解決しない。財源の分配ではなく、医療や介護の質の分配に目を向けなければならない。

2013年1月9日水曜日

看護師の「特定行為」まとまる

2013. 1. 9
日経メディカル2013年1月号「行政ウォッチ」(転載)
看護師の「特定行為」まとまる
45の高度な医行為を選定し研修を義務付け

看護師が「診療の補助」の範囲で行える高度な医行為である「特定行為」の選定作業が大詰めを迎えている。厚生労働省は45項目の医行為を選び、一定の研修を受けた看護師に実施を認める方針だ。

 厚労省は2012年12月6日、「チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」(座長:昭和大病院長の有賀徹氏、以下WG)で、看護師が行う高度な医行為47項目を「特定行為」として定める案を提示、委員から大筋で了承された(表1、後日45項目に再整理された)。





表1 主な「特定行為」の項目(案)(2012年12月20日付の厚労省資料を編集部で再編)

 看護師が行う現在の医行為の中には、保健師助産師看護師法で定める「診療の補助」の範囲かどうか不明確なものがある。WGではこうした“グレーゾーン”の医行為を明らかにし、技術や判断の難易度が高い医行為を「特定行為」に選定。一定の教育や経験を持つ看護師が能力認証を受けた場合に実施可能とするべく、制度化作業を進めている。なお、特定行為を行う看護師は当初、「特定看護師」と称されていたが、業務独占の誤解を生むことから、現在は「看護師特定能力認証制度」の創設に議論の内容が改められている。

 WGではこれまで、10年に行った看護業務実態調査で取り上げた203項目の医行為を、行為と判断の難易度から、A(医師が実施する絶対的医行為)、B(特定行為)、C(一般の医行為)などに分類する作業を進めてきた。Bには、シミュレーション教育や実習を経て実施する必要がある医行為や、複合的な要素を勘案して医師の指示内容を判断する必要がある医行為などが含まれる。

「病態確認が必要な行為」と規定

 さらに厚労省は昨年12月6日のWGで、特定行為を「看護師が患者の病態の確認を行った上で実施する行為」とする考えを示し、B分類に該当する94項目のうち47項目を特定行為(案)として提示した。一般の看護師や他職種が行う行為が制限されないよう絞り込んだ格好だ。

 特定行為は、事前に作成するプロトコルに基づき、厚労省の指定研修を修了した看護師が医師の「包括的指示」を受けて実施することとなる。指定研修について厚労省は、単位制とした上で、救急や在宅など分野ごとに必要な特定行為を選んで習得する仕組みを想定している。座学と実習で構成し、業務に支障を来さないよう実習は勤務先の医療機関での実施を認める方針だ。研修の具体的内容は今後詰める。

 ただし同省は、指定研修を受けていない看護師であっても、院内研修を経て医師から「具体的指示」を受けた場合には特定行為を実施できるとしている。両者の線引きは難しく、現場が混乱しないような制度設計が求められる。

日経BP 25.1.09

2012年12月19日水曜日

誤嚥と嚥下性肺炎疑問に答える


JOHNS28巻12号(12月号)

最近の誤嚥と嚥下性肺炎のオーバービューから予防法まで、嚥下性肺炎に対する医療の現状が把握できる一冊となっている。



2012年11月1日木曜日

第2回 胃ろうの造設、是か非か

日経メディカルオンライン2012. 10.29
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/debate/201210/527448.html


 ザ☆ディベート、第2回「胃ろうの造設、是か非か」の投票の中間集計がまとまりました。投票数は前回を大幅に上まわり、本テーマへの関心の高さをうかがわせます。




 医療・医学の旬な話題について討論する「ザ☆ディベート」。第2回は、「高齢者への胃ろうの造設」について、二人の論者が主張をぶつけ合います。今回のコーディネーターは、国際医療福祉大学教授の鈴木裕氏です。

 前回と同様、2本のディベート動画は、日経メディカル オンラインとケアネット・ドットコムに1本ずつあります。動画を2本ともご覧いただいた上で、医師会員の方は、ご自身のお考えがどちらの主張に近いか、Web上での投票をお願いします。投票期間は11月4日(日曜日)まで。奮ってご参加ください。


http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/debate/201210/527244.html

胃ろう造設に「賛成」に投票した方のコメント(一部)

◆法整備も整っていない現状で、食べれないのに補給しないとの選択はなしと思うので、消極的賛成です。在宅で管理するのなら、PEGは必要悪と思います。ただ、一律に点数アップのためだけに実施している施設があるのも現実です。 [ペンネーム:白馬岳-10月24日9時14分]
◆PEG造設はあくまで手段であります。この手段を用いるか否かは疾患の治療法の選択のなかで語られるべきであり必要な場合は積極的に胃ろう造設を行うのは当然のことです。さまざまな終末期医療に対する治療選択を議論することが先決です。 [ペンネーム:sk46-10月22日13時31分]


胃ろう造設に「反対」に投票した方のコメント(一部)


◆僕自身が、痴呆や寝たきりになり食べられなくなったら胃瘻は拒否する。確かに、特定の疾患の方々には、胃瘻は有効な選択肢だ。しかし、過去の現場経験では、痴呆や寝たきりの終末期における胃瘻は、在宅介護の金づるでしかない。医療者側だけでなく、ご家族も年金をあてにしていたりしている。はたして、40万人の胃瘻患者のうち、どれだけの方が人間らしく生きているだろうか?1日中寝たきりで、意識も朦朧として、栄養は与えられ死ねない。ほったらかしで、生きるしかばねで、1年、1年、月日が流れていく。恐ろしい。 [ペンネーム:正直なところ-10月24日12時19分]

◆認知症で寝たきりになって食事もとれなくなったとしても1分1秒でも長生きしたいという人を見たことがありません。ぴんぴんころりが日本人のコンセンサスです。認知症で食事もとれなくて豊かな老後とは論外でしょう。結局のところ胃瘻は病院の都合と家族の満足のために行われるものです。すなわち社会が支えるべき医療ではありません。これが意味するところは、高齢、認知症で食事がとれなくなった患者に胃瘻を作るのであれば、最初の6カ月はリハ目的で保険適応でいいですが、その後は自費にすべきということです。 [ペンネーム:インフルエンザおたく-10月24日12時51分]



ブログ筆者のコメント
 一言でいうとケースバイケース(症例ごとに適応かどうかを十分に検討しなければならない)。ただ、介護療養や在宅での医療をおもに手掛ける医療者にとって本人の望まない医療が長年続くケースが本人に留まらず家族や介護者などにあらゆるストレスを発生させることを数多く経験していると思われる。したがって、PEGをただ人工栄養の選択肢の一つなどと簡単には考えることはないだろう。また、反対のコメントにあったように年金などの経済的理由で延命が行われているなどといった場合はそれこそ倫理に反するのではないだろうか。
 私は、基本的にはPEGを使わない治療を展開する中でどうしても適応があれば行うという考えを持っている。