2012年4月13日金曜日

医療経済学とは-ウィキペディアより

医療経済学(いりょうけいざいがく、英語:health economics)は医療問題を扱う経済学の応用分野である。医薬品・医療保険・病院株式会社化など、医療にかかわるさまざまなことを経済学の手法を用いて分析する。

医療経済学が取り扱う問題 [編集]

医療問題は経済的に見れば、医療というサービスに対する需要供給の問題と考えることができる。医療サービスの特殊性から、それに関する需要供給の一致を完全に市場による調整機能のみに委ねることはできないと考える場合、政府・自治体の関与が必要となる。
医療サービスは、いかなる機構によって供給されるべきか、また、その医療サービスの費用はどのように負担されるべきかが、医療経済学の中心問題である。すなわち、医療サービスの供給主体としては、公的医療機関か私的医療機関か、現実に採用されている医療供給機構としての医療保険についての諸問題、社会保障の対象としての医療に対する政府の関わり方、医療の費用とその負担の問題などが、具体的な問題となる。
さらに、医療サービスの生産(病院の活動など)における効率性の問題、医療産業に関する問題、医療の費用-便益分析などが取り扱われる。医療の費用-便益分析は、医療に対する費用配分が適正であるかどうかの検討のためのものであり、それに関連して、医療サービスの便益の評価、特に人間の生命の経済的価値の評価が問題とされる。

医療サービスの需要と供給 [編集]

医療サービスは、次のような特性を持つ。
  • その需要は、人間健康と生命にかかわるものであり、すべての人にとってきわめて必需性の高いものである。
  • 個人にとって疾病や傷害の発生、治療の効果、医療費の額などは予測不可能なものであり、不確実性を含有している。
  • 人の健康や生命の価値は金銭に換算しがたく、医療サービスはきわめて非同質的なものであり、それに対する価格は確定しがたい。
以上のような特性から、このような医療サービスに対する需要の充足の問題を、完全に個人の自己責任に委ねておく場合には、個人の生活は常に不安定であり、特に低所得者は生活の保障を得ることが難しい。
社会保障が個人の生活の不安を除去ないし緩和することによって個人の生活を保障することを目的としている以上、医療がその対象となるのは当然である。社会保障の対象としては、この他に、失業や老齢などが挙げられるが、医療が最も大きな比重を占めている。
医療に関する社会保障の方式としては、個人に対する医療費の補助、全額公費負担による医療サービスの提供、医療保険などがある。 市場経済にその需給を委ねた典型例は米国のHMOがある。一部のHMOは営利組織として株式上場しており、利益の追求を目的としている。 米国では医療による破産も多く見られ、国内外で医療崩壊の典型とする声もある。




ブログ筆者のコメント
 医療経済学をインターネットで調べるとこのような説明が出てくる。もちろんウィキペディアはフリー投稿サイトのため十分な信頼性が得られているわけではないが、一般論としてのイメージを得るには十分である。
 医療経済学を知るうえで、まず医療サービスの特性を理解する必要がある。「その需要は、人間の健康と生命にかかわるもので、すべての人に必需性の高いものである。個人にとって疾病や傷害の発生、治療の効果、医療費の額などは予測不可能なもので不確実性を含有している。人の健康や生命の価値は金銭に換算しがたく、医療サービスはきわめて非同質的なものであり、それに対する価格は確定しがたい。」国民健康保険という制度下で、この不確実性を特性に持つ医療サービスに対し価格決定を行うのは厚生労働省であり国である。一般的な医療経済と自由競争下のマーケットとの違いは、価格決定が固定化された非営利的市場構造というところである。しかし、完全に 市場経済にその需給を委ねた米国のHMOは病院経営破綻も多く、健康なものに医療行為を行うなど医療崩壊の声もある。
 日本はいま、世界にも類をみない国民皆保険の医療システムが危機的状況にある。医療サービスを市場経済か国民皆保険かのどちらに委ねるかという二極論ではただ崩壊の一途をたどることになる。日本人の文化、人間性、生活習慣を見据えた独自の医療サービスと医療経済学を駆使した柔軟で効率的な制度設計が必要である。
 マクロ経済的視点で考えても、近い将来必ず医療制度改革は必要になる。そうなれば、今以上に「医療の質」が問われることは避けられない。既存の医療では病気を治すための治療を求めることが優先されてきた。しかし、そのことが患者の意図しない医療や医療費の圧迫につながってしまうケースも少なくない。これからの医療は、治療という視点だけでなく患者に対し有益な結果が伴うように方向づける「医療マネジメント」や、頻発する合併症など患者に不利益を与えないための「包括的介入」などより柔軟で合目的的なサービスがもとめられる。
  
 

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